[FinTech]銀行APIの契約条文例と電文例

去年の12月27日に全国銀行協会が以下のニュースリリースを出している。

「銀行法に基づくAPI利用契約の条文例(初版)」および「銀行分野のオープンAPIに係る電文仕様標準について(第2版)」について

「銀行法に基づくAPI利用契約の条文例」は、APIを利用して顧客に家計簿サービスなどを提供する電子決済等代行業者と銀行とがどのような契約を結ぶとよいか、という例文である。
銀行、電信決済等代行業者双方にとって、契約が法律に沿っているか、双方にとっての利害関係がどうかはわかりにくいものと推測できる。
どのような契約条文を作ればよいか、といったものが条文例と解説が掲載されているので、これを参考にすると双方の認識共有をしやすいものになるのではないか。もちろん個別の内容によるところは双方検討が必要だろうが、一般的な内容に関しては、時間の節約になるだろうし、有意義なものといえるだろう。

「銀行分野のオープンAPIに係る電文仕様標準について」は、「オープン API のあり方に関する検討会報告書」で述べられている

  1. 残高照会
  2. 入出金明細照会
  3. 振込
といった内容の電文仕様の標準的な考え方を述べたものだ。
どういった項目を作ればよいか、というところが概念的に書かれているので、銀行業に詳しくなくてもその項目を網羅できれば、APIとしての十分性が成り立つだろう。
ただ、銀行業務的な観点で書かれているので、実際の電文例、つまり、JSONとかXMLとかそういった技術論的なものはほとんど書かれていない。
今後使われていく中で、技術的な観点も含めたデファクトスタンダードな考え方が別にできてくるのではないか?という一抹の不安を感じるが、一方で銀行業に精通していない技術者でも簡素に理解するための情報としては十分といえるだろう。

技術論の観点も興味深いが、法律や銀行業の観点で書かれた文書というのも、なかなか興味深い。

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